変換された標本歪度と標本尖度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 17:05 UTC 版)
「ダゴスティーノのK二乗検定」の記事における「変換された標本歪度と標本尖度」の解説
標本歪度g1と標本尖度g2は共に漸近的に正規分布となる。しかし、特にg2は、分布限界への収束率が極めて遅い。例えば標本数nが5000でさえ標本歪度g2の分布の歪度γ1(g2)と尖度γ2(g2)は共におよそ0.3である。正規分布の歪度と尖度が0であることから、0.3という値は無視できない。こうした状況を改善するためにg1とg2の分布ができる限り標準正規分布に近づくようにg1とg2を変換する。 特にD'Agostino (1970) は以下に示すg1の変換式を提案した。 Z 1 ( g 1 ) = δ ⋅ ln ( g 1 α μ 2 + g 1 2 α 2 μ 2 + 1 ) , {\displaystyle Z_{1}(g_{1})=\delta \cdot \ln \!\left({\frac {g_{1}}{\alpha {\sqrt {\mu _{2}}}}}+{\sqrt {{\frac {g_{1}^{2}}{\alpha ^{2}\mu _{2}}}+1}}\right),} ここで定数αとδは以下の式で計算される。 W 2 = 2 γ 2 + 4 − 1 , δ = 1 / ln W , α 2 = 2 / ( W 2 − 1 ) , {\displaystyle {\begin{aligned}&W^{2}={\sqrt {2\gamma _{2}+4}}-1,\\&\delta =1/{\sqrt {\ln W}},\\&\alpha ^{2}=2/(W^{2}-1),\\\end{aligned}}} ここで、μ2 = μ2(g1)はg1の分散、γ2 = γ2(g1)は尖度である。(式は前項と同様。) 同様にAnscombe & Glynn (1983)はg2の変換式を提案した。この式は標本数が20以上で合理的に機能する。 Z 2 ( g 2 ) = 9 A 2 { 1 − 2 9 A − ( 1 − 2 / A 1 + g 2 − μ 1 μ 2 2 / ( A − 4 ) ) 1 / 3 } , {\displaystyle Z_{2}(g_{2})={\sqrt {\frac {9A}{2}}}\left\{1-{\frac {2}{9A}}-\left({\frac {1-2/A}{1+{\frac {g_{2}-\mu _{1}}{\sqrt {\mu _{2}}}}{\sqrt {2/(A-4)}}}}\right)^{\!1/3}\right\},} ここで、 A = 6 + 8 γ 1 ( 2 γ 1 + 1 + 4 / γ 1 2 ) , {\displaystyle A=6+{\frac {8}{\gamma _{1}}}\left({\frac {2}{\gamma _{1}}}+{\sqrt {1+4/\gamma _{1}^{2}}}\right),} また、μ1 = μ1(g2), μ2 = μ2(g2), γ1 = γ1(g2)はPearsonが計算した値である。
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