変分法を使った計算例とは? わかりやすく解説

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変分法を使った計算例

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/28 00:15 UTC 版)

変分法 (解析力学)」の記事における「変分法を使った計算例」の解説

例えば、物性物理学について考えてみよう。多体問題において多体の波動関数使って固有値問題解析的かつ厳密に解くことは困難であり、何らかの近似法用いて解かれる。その近似手法一つ変分法がある。 ある多体系において、規格化直交性などの条件の下で任意に選んだ試行関数変分関数とも言う。ここでは多体の波動関数)を Ψtrial とする。試行関数いろいろな選び方があるがここでは、Ψtrial は、系を記述する厳密な固有関数波動関数)Ψi の展開で記述できるとする。 Ψ t r i a l = α 0 Ψ 0 + α 1 Ψ 1 + α 2 Ψ 2 + ⋯ {\displaystyle \Psi _{\mathrm {trial} }=\alpha _{0}\Psi _{0}+\alpha _{1}\Psi _{1}+\alpha _{2}\Psi _{2}+\cdots } ここで、Ψ0 を基底状態固有関数とする。また、Ψ1, Ψ2, ... は励起状態固有関数である。系のハミルトニアンを H として、H に対する Ψi に対応する固有値Ei とすると、試行関数 Ψtrial固有値 Etrial は、 ⟨ Ψ t r i a l , H Ψ t r i a l ⟩ = E t r i a l {\displaystyle \left\langle \Psi _{\mathrm {trial} },H\Psi _{\mathrm {trial} }\right\rangle =E_{\mathrm {trial} }} であり、 E t r i a l = ∑ i α ¯ i α i ⟨ Ψ i , H Ψ i ⟩ = ∑ i | α i | 2 E i ≥ E 0 {\displaystyle {\begin{aligned}E_{\mathrm {trial} }&=\sum _{i}{\overline {\alpha }}_{i}\alpha _{i}\left\langle \Psi _{i},H\Psi _{i}\right\rangle \\&=\sum _{i}|\alpha _{i}|^{2}E_{i}\\&\geq E_{0}\end{aligned}}} となる。この時、試行関数固有値は、必ず基底状態固有値 E0(これがこの場合厳密解)に等しいかエネルギー的により高い値となる。そして、展開係数である αi調節して Etrial の最小値最適値)Eopt を求める。これが試行関数使った変分法の手順である。この場合最適値 Eopt も、真の固有値 Eexact (= E0) に対しE o p t ≥ E e x a c t {\displaystyle E_{\mathrm {opt} }\geq E_{\mathrm {exact} }} となる。これが満たされない場合、その変分計算正しくない。以上では、試行関数厳密解としての Ψ0 を含むという特殊な場合である。実際計算では厳密解得られない場合がほとんどである。尚、以上に出てくる固有値は、系の全エネルギー置き換えて考えて良い変分法結果良し悪しが、試行関数選び方に強く依存する場合がある。 試行関数具体例としては、スレーター行列式使い個々一粒波動関数最適化するものや、試行関数にジャストロウ型波動関数使い量子モンテカルロ法使って最適値を求めたりする。量子化学的手法バンド計算変分法使われており、様々な場面で利用されている。 試行関数使用しない変分法存在する

※この「変分法を使った計算例」の解説は、「変分法 (解析力学)」の解説の一部です。
「変分法を使った計算例」を含む「変分法 (解析力学)」の記事については、「変分法 (解析力学)」の概要を参照ください。

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