地券の作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:40 UTC 版)
1879年(明治12年)発行の地券 裏面 詳細は「地券」を参照 地租改正の際に行われた測量結果は地券に記され、この内容は地券台帳にまとめられた。地券は、土地所有を公証し、かつ納税義務者を表示するものとされ、また土地売買の法的手段であるとされたことから、土地の流通および土地金融はすべて地券により行われることとなった。 1885年(明治18年)の登記法成立後は、登記簿が土地所有を公証するものとされた。 また、地券台帳自体も、1884年(明治17年)に創設された土地台帳制度に引き継がれ、1889年(明治22年)に事実上廃止されて、以後地租の収税はこの土地台帳によって行われた。さらに土地台帳は登記簿と一元化されることで、1960年(昭和35年)に廃止された。このとき、土地台帳に記載されていた土地の表示に関する記載(所在、地番、地目、地積)が登記簿の表題部に移記された。したがって、現在の土地登記は、元は地租改正時に作成された地券及び地券台帳にさかのぼるものであるといえる。 しかしながら、地租改正当時の測量技術が未熟であったこと、時間と人員の制約から測量の専門家でない素人が測量にあたったこと、また税の軽減を図るために故意に過小に測量したことなどから、その内容は必ずしも正確なものではなかった。このことが、現在の登記簿においても、登記簿と実際の地形や測量面積が一致しないこと(いわゆる「縄伸び」「縄縮み」)の原因となっている。 現在[いつ?]、正確な登記簿を作るべく地籍調査が全国的に進められている。
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