地下官人の成功
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 03:10 UTC 版)
地下成功は、続労銭や献物叙位に由来し、律令制度に基づく財政システムが衰退した10世紀後期には、仕組みが完成していた。ただし、当時は任料(官職)・叙料(栄爵)の「進納」と称されていた。 地下成功は費用を必要とする機関(官司・寺院・行事所)が、朝廷に対して官職・もしくは栄爵(従五位下への叙爵)推薦権を求め、朝廷からそれを認可する宣旨が出される。宣旨を元にして機関が成功希望者を募り、実際に任料・叙料を納めた希望者に対してはその証拠となる返抄を与えるとともに、その名簿を次の除目・叙位の際に朝廷へ提出し、これに基づいて成功希望者が補任を受けたのである。また、急に費用が必要となりなおかつ成功希望者を既に機関が見つけている場合には、機関側から該当する成功希望者に官職・栄爵を与えるように求める申文を朝廷に提出し、朝廷側がこれを妥当として機関に対して成功希望者の補任を認める宣旨が下されると、成功希望者は約束通りの任料・叙料を支払ったのである。
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