地すべり・がけ崩れの発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 16:29 UTC 版)
「三峡ダム」の記事における「地すべり・がけ崩れの発生」の解説
地質が脆い場所に作られたダムに貯水を行うと、ダム湖斜面や周辺の地盤への水の浸透と強大な水圧により、地滑りやがけ崩れが発生することがある。また三峡周辺ではもともと地質の軟弱な地点が多く存在しており、ダム湖沿岸における地滑りの危険性はいずれの事前研究においても指摘されていた。三峡ダムでは2008年末時点で132カ所で合計約2億立方メートルのがけ崩れが発生していたために、当局は水位を満水の175mにすることなく172.5mで打ち切り、約2,000人を緊急避難させている。その後、三峡ダム区地質災害防止作業指導事務室チームが調査を行った結果、5,386カ所で地滑りやがけ崩れなどの問題が発生するおそれがあることが判明した。重慶市内の雲陽県涼水井地区では、2009年3月以降、川岸の430m、400万㎥にわたる土砂が崩落し、長江の主要航路に土砂が流れこむ恐れがあるとして厳重監視対象地域になっている。同地区に近い村では、地盤の変動で民家が徐々に引き裂かれながら移動するなどの被害も出ている。一方、2019年の中国の報道ではダム沿岸の土壌流出は1999年に比べ2018年度は47%の減少となっており、状況は大幅に改善しているとした。
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