国庫制度の態様
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/28 22:31 UTC 版)
国庫制度のかたちは、経済社会や行政・財政制度などの歴史的経過に応じて、国ごとに異なっているが、金庫制度(金庫制)と預金制度(預金制)に大別できる。狭義には現金出納としての国庫金をさすが一般には有価証券、物品や国有地などの国有財産を含める。また国が法令または契約に基づき、一般私人等から提出されて一時保管している現金(保管金、供託金)や、公庫から国庫に預託された業務上の現金は国庫金に含める。 金庫制度(金庫制)とは、国庫金を他の資金とはまったく切り離して管理する国庫制度をいう。金庫制度には、国が直接出納業務を行う国有金庫制度(固有金庫制)と、中央銀行などの特定の金融機関に出納業務を委託する委託金庫制度(委託金庫制)とがある。 これに対して、預金制度(預金制)は、国庫金を預金として銀行に預け、他の資金とともに経理され、国は返還請求権(預金債権)のみを持つ国庫制度である。預金制度は、中央銀行預託に限るものと、市中銀行預託を併用するものとに分けられる。預金制度は、金庫制度に比べると、巨額に上る国家資金とその他の民間資金との調整が容易であり、通貨政策も実施しやすくなる。そのため、現代国家では、金融制度の整備とともに、預金制度に移行するのが一般的である。
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