嗜癖か依存か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 09:42 UTC 版)
カフェインの使用は、嗜癖(addiction)ではなく依存(dependence)として分類されている。ある薬物に中毒性があると見なされるためには、それは脳の報酬系を活性化するという条件を満たす必要がある。しかしカフェインは、中毒性のある薬物と同様、脳内のドーパミンシグナル伝達を強化するのだが(ユージロイックを参照)、コカイン、モルヒネ、ニコチンといった中毒性物質と同様に、脳の報酬系を活性化しているとみなすには不十分である 。カフェイン依存は、カフェインがアデノシンA2A受容体に拮抗することで形成され、アデノシン受容体からのアデノシンを効果的に遮断する。これによって眠気の発症を遅らせ、ドーパミンが放出される。 研究によると、 1日あたり最低100mgのカフェイン(コーヒー1杯の量)を摂取する人は、頭痛、筋肉の痛みやこわばり、嗜眠、吐き気、抑うつ、著しい過敏性、などの離脱症状を引き起こす身体的依存が形成される可能性がある 。 ジョンズ・ホプキンズ大学神経学教授Roland R. Griffithsは、カフェイン離脱は、心理的障害として分類されるべきであると考えている。Griffiths教授の研究では、カフェインの離脱症状は習慣的にコーヒーを飲む人の50%に影響を及ぼし、カフェイン摂取の停止後12-24時間以内に始まり、20-48時間でピークに達し、9日間続くことを示唆している。 耐性を高めることでカフェインの刺激作用を弱め、カフェインの摂取量が減ると体がアデノシンの作用に敏感になるため、カフェインの禁断症状が強くなる。カフェイン耐性は非常に急速に形成される。カフェインの睡眠障害に対する耐性は、400mgのカフェインを1日3回、7日間摂取した後に見られ、300mgのカフェインを1日3回、18日間摂取した後には完全な耐性が見られた。。
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