和知野川での発電所建設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:36 UTC 版)
泰阜発電所の運転開始後、矢作水力では同じ長野県内にて立て続けに水力発電所を完成させた。1936年12月に豊発電所(出力1万3,600kW)、翌1937年(昭和12年)12月に和合発電所(出力3,000kW)、1939年(昭和14年)12月に和知野発電所(出力6,400kW)がそれぞれ運転を開始したのである。 3か所とも天竜川水系和知野川の発電所であり、上流側から和合発電所・豊発電所・和知野発電所の順に建設された。最上流の和合発電所は下伊那郡浪合村(現・阿智村浪合)にて取水し、約3.7キロメートルの導水路を経て豊村和合(現・阿南町和合)にて発電。豊発電所も和合地内にあり、支流売木川との合流点の上流側にて売木川からの取水もあわせて発電する。最下流の和知野発電所では売木川合流点に取水堰を設け、約3.4キロメートルの水路で大下条村(現・阿南町南條)の発電所へ導水して発電する。発電設備は日立製作所製で揃えられており、和知野はフランシス水車・発電機各1台、豊はペルトン水車・発電機各2台、和合はペルトン水車・発電機各1台をそれぞれ備えた。 豊発電所に関連して、売木川支流の岩倉川には岩倉ダムが建設された。高さ25メートル・幅(堤長)100.6メートルのダムであり、総貯水量41万2800立方メートルの貯水池を形成する。渇水期に放流することで別個に設けられた売木川取水堰(丸畑堰堤)の水量を補給するという役目を持つ。ダムは発電所に続き1937年ごろに竣工したとみられるが詳細は不明である。
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