呉音の声調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 14:50 UTC 版)
呉音が日本に伝来してきた時、声調はまだ記録されていなかった。呉音資料の声点の付加は漢音に大きく遅れて、11世紀になって初めて現われた。その声調が元々いかなるものであったかは、現存資料を手掛かりとして推測することができるのみである。 平安後期から鎌倉時代までの法華経読誦音が明らかであり、呉音は平・上・去・入声の四種の調類に分かれ、内部は「軽」/「重」に再び区分はしていない(仮名で加えた声点に基づけば明らかで、平安以前の呉音資料にはただ平・去・入声とだけある)。 呉音の調値は、仮名によって加えた声点によれば、漢音と基本的には一致する。平声 = 低平調 上声 = 高平調 去声 = 上昇調 入声 = 低平調 呉音の声調体系の中では、漢字の類別は広韻および漢音と相当大きな違いがある。入声字の分類は一致するが、相当多くの漢音の平声字は呉音では上声・去声となり、漢音の上声・去声字は呉音では平声となる。
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