吾妻ひでおとは? わかりやすく解説

吾妻ひでお

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 15:25 UTC 版)

吾妻 ひでお(あづま ひでお、本名:吾妻 日出夫(読み同じ)[3]1950年昭和25年〉[4]2月6日 - 2019年令和元年〉10月13日)は、日本漫画家


注釈

  1. ^ 逃亡日記 2007, p. 118 によれば、3か月。親を騙すための就職だったとのこと。
  2. ^ 夜の魚―太田COMICS芸術漫画叢書』の大塚英志による解説『吾妻ひでおを再び「流通」させる理由』で大塚は、当時一世を風靡していた吉田戦車を「不条理漫画」の祖と持ち上げる風潮に異をとなえ、吾妻こそがそれだと主張した。ただし「不条理漫画」的な作品は吾妻以前にも、つげ義春の「ねじ式」や秋竜山の諸作品などがあり、手塚治虫は『マンガの描き方』(光文社カッパ・ホームス 1977年刊)でそれらを「不条理ギャグ」として取り上げている
  3. ^ ただしこの出典では1989年から1990年にかけて3,4ヵ月、「一番キツイ時期」とある[30]
  4. ^ 長谷川病院のこと。あるこーる白書 2013, pp. 45–46では実名。
  5. ^ ヌード写真集を発表したモデル倉橋のぞみには公式ファンクラブが存在し、交流会が開催されるほどだった。
  6. ^ 批評集団「迷宮同人みのり書房Peke』『官能劇画』元編集長。アリス出版『少女アリス』編集長。群雄社出版ロリコン大全集』編集人。吾妻ひでおの漫画『美美』『ぶらっとバニー』『スクラップ学園』『不思議ななんきん豆』『仁義なき黒い太陽 ロリコン編』などに登場する「編集者」のモデルとなった。
  7. ^ ただし連載当時の掲載誌『少女アリス』には「純文学シリーズ」の記載はない(連載時は「LOLITA COMIX」とだけ表紙に書かれていた)。「純文学シリーズ」の名称は米沢嘉博が「阿島俊」名義で編纂し、1979年12月31日に発行した同人誌『吾妻ひでおに花束を』(虎馬書房/大日本吾妻漫画振興会)中の「『AZUMA HIDEO の純文学シリーズ』が少女アリスに連載される」(p.101)という囲み記事が初出である。また明治大学米沢嘉博記念図書館が作成した「SFと美少女の季節(吾妻ひでおと川本耕次の関連年表)」[73]によれば1981年5月発行『奇想天外臨時増刊号 吾妻ひでお大全集』(奇想天外社)の年譜と単行本『陽射し』広告に「純文学シリーズ」と記載されたものが商業誌における初出とされているが、それ以前の『月刊OUT』(みのり書房)1980年12月号に掲載された「病気の人のためのマンガ考現学・第1回/ロリータ・コンプレックス」(米沢嘉博)において既に「純文学シリーズ」の記載が確認できる。
  8. ^ ちなみに自販機本『少女アリス』掲載作品のうち「海から来た機械」は翌1982年3月に奇想天外社から刊行された単行本『海から来た機械』に収録されている。
  9. ^ 担当編集者が「午後の淫荒」を「午後の曳航」になぞらえて「純文学シリーズ」と名付けたともいわれる(KAWADE夢ムック『文藝別冊[総特集]吾妻ひでお 美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』河出書房新社 2011年 222頁)。92年刊行の『夜の魚』(太田出版)収録以降「午後の淫行」に改題。
  10. ^ 手塚治虫の伝統に忠実な記号的な絵で少女キャラクターの身体の上に残された精液さえもが描写された作品(大塚英志+ササキバラ・ゴウ『教養としての〈まんが・アニメ〉』講談社〈講談社現代新書〉2001年 94頁)。
  11. ^ 「この原稿いただいた時は感動しました。傑作です」(川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書 2011年 118頁)「筆を使ったと思われるやわらかい描線で描かれた佳作は『シベール』読者も、ギャグやSFから入ったファンも魅了した」(KAWADE夢ムック『文藝別冊[総特集]吾妻ひでお 美少女・SF・不条理ギャグ、そして失踪』河出書房新社 2011年 222頁)
  12. ^ 「ますます鋭く文学的になって、編集者としても背筋が寒くなるような思いだった」川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書 2011年 119頁
  13. ^ 「この号で私はアリス出版を退職するのだが、ドタバタのせいで写植が間に合わなかったのか、この回だけ手書き文字です」川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』ちくま新書 2011年 119頁
  14. ^ この作品は古屋兎丸によってカバーされている(1999年10月/イースト・プレス刊『COMIC CUE』Vol.7掲載。同社刊『Garden』所収)。「ファンタジックなのに残酷でリアルなこの話が大好きでカバーさせていただきました」(古屋兎丸『禁じられた遊び』イースト・プレス 2015年 81頁)。

出典

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