君本家の誘拐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 04:24 UTC 版)
初出:文春ムック『オールスイリ2012』 君本良枝は大型ショッピングモールの中で半狂乱になっていた。今さっきまで自分が押していたベビーカーと、中に乗っていたはずの娘の咲良が忽然と姿を消してしまったのだ。やっと妊娠できて咲良が産まれてきた時の喜びを忘れ、泣き声に毎日悩まされて咲良を疎ましく感じはじめてしまっていた良枝は、激しく後悔する。 君本 良枝(きみもと よしえ) 健康と美容を売り文句にした自然食材やその加工品を扱う大手の食品会社勤務。以前は営業にいたが、今は経理の事務職に変わった。実家は静岡にある。 子供が欲しい願望が強かったがなかなかできず、悩んでいたが結局自然妊娠した。しかし産まれてみれば毎日咲良の泣き声に悩まされ、毎日のように咲良から離れたいと思っている。 君本咲良(きみもと さくら) 生後10か月の君枝と学の娘。一重まぶたの丸顔で、誰が見てもはっきりと口にするほど父親の学に似ている。 君本 学(きみもと まなぶ) 良枝の夫で良枝と同い年。君枝とは同じ大学で知り合い、お互い26歳の時に結婚した。実家は茨城にあり、長男夫婦が同居している。3歳になる姪がいる。 皐月(さつき) 学の兄の嫁で専業主婦。3歳になる娘がいるが、「子供なんて産むもんじゃない」と良枝に愚痴をこぼし、よく実家に娘を置いたまま遊びに行ってしまう。 天野 千波(あまの ちなみ) 良枝の高校時代からの友達。保育士で、子供が好き。 照井 理彩(てるい りさ) 良枝と高校生時代のクラスメイト。女性誌にもよく掲載されている海外ブランドの青山店で働いている。良枝より後に結婚した。
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