同境とは? わかりやすく解説

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同境

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 09:56 UTC 版)

微分位相幾何学において、同境(読み:どうきょう、: cobordism: Kobordismus: cobordisme: Бордизм: 配边)とはコンパクト可微分多様体におけるひとつの同値関係である。もし二つのコンパクト可微分多様体

一つの円周(上部)と、分かれた二つの円周(下部)の合併、による同境。
一つの円周()と、分かれた二つの円周()の合併、による同境。

1次元に結合された唯一のコンパクト多様体は円周に似た微分同相のものである。実際、1次元のコンパクト可微分多様体は分かれた有限個の円周の寄せ集めである。数学で謂うところのズボン英語版はひとつの円周と二つの円周のひとつの合併による或る同境を実現する(反対側の図を見よ)。いわば、分かれた有限個の円周の全部の合併は、ひとつの円周におけるその一周との同境である。1次元の同境はいかなる情報も与えない。

高次元

  • におけるコンパクトな超曲面のすべては、或るコンパクトな領域を境界づける。そのような領域からひとつの球状のものを取り去ったならば、におけるコンパクトな超曲面のすべては、球面と同境となる。
  • 二次元の向き付け可能なコンパクトな曲面のすべてはにおける或るコンパクトな超曲面のようなものになる。先の例は二次元の向き付け可能な曲面のすべては同境であることをしめす。その同境は種数についての情報を与えない。
  • 三次元の向け付け可能なコンパクト多様体のすべては球面のようなもの(もしくは空集合、それは同様になる)と同境になる。その結果は高次元においては成り立たない。

制約条件

二つの可微分多様体が同境にあることを妨げるホモロジー的性質の制約条件がある。この制約条件は特性類を用いる[1]

スティーフェル・ホイットニー数

ポントリャーギンの定理 ―  同じ次元の二つの可微分多様体がもし同境であれば、それらは同じスティーフェル・ホイットニー数を持つ。

トムの定理 ―  同じ次元の二つの可微分多様体が同じスティーフェル・ホイットニー数を持ては、それらは同境である。

h‐同境理論

h‐同境理論は'再定義'(: recollements)および位相的構成の用語での同境における理解を与える[脚注 1]。その証明はモース関数 (フランス語: fonction de Morse モース理論の基礎の利用においてそれ自体を成り立たせる。

接触多様体における同境

接触多様体フランス語版は、が或る体積形式であるところの微分形式をもつ、奇数次元のコンパクト可微分多様体である。それらは次のようである:

  • 範囲内の'リュービル場'(: champ de Liouville )に存在するものである、近傍 でのの境界での連結成分の集まりの場合の、次元シンプレクティック多様体面の境界;
  • 範囲内のリュービル場に存在するものである、近傍でのの境界での連結成分の集まりの場合の、次元シンプレクティク多様体面の境界;

それらが境界にあるシンプレクティック多様体に存在する、ともに同境である二つの接触多様体 は、各々順に凹面と凸面の境界のようになる、の直和である。

脚注

  1. ^ 「h‐同境」のhはホモトビー同値の英語の頭文字である。

引用文献




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