各国の金融政策への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 20:16 UTC 版)
「グローバル資本主義」の記事における「各国の金融政策への影響」の解説
岩井克人は「グローバル化された資本主義社会には、不安定性に対抗できる世界政府・中央銀行は存在しない」と指摘している。 エコノミストの伊藤洋一は「各国における金融政策の有効性の低下は、それぞれの国がグローバルな経済や市場に飲み込まれ、その波動を都度受けていることでも生じている。もちろん、各国の経済がグローバルな需要や交易によって助けられていることも確かで一方的ではない。しかし、こと金融政策に限ってみるとグローバル環境が制約条件になっているケースが多い。重要なことは、経済のグローバル化の中で海外要因が増えているということであり、グローバル化が進めば進むほど、各国中央銀行の当該国経済に対するコントロール力は低下していくことになる」と指摘している。 中谷巌は、グローバル資本主義に無制限の自由を与えるのではなく、一定の規律を設け制御する必要性を説き、統制機関として世界中央銀行・世界中央政府の設置を主張している。 野口旭は「各国が金融政策の自立性を失う根本的な原因は、固定相場制にある。各国が金融政策の自立性の確保するためには、変動相場制でありさえすればよい」と指摘している。
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