史上初の戦車戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 04:03 UTC 版)
「マーク IV 戦車」の記事における「史上初の戦車戦」の解説
マークIVは1918年4月24日にフランスのヴィレ=ブルトヌーで、ドイツ軍と史上初の戦車戦を経験している。この戦闘は偶発的なものであったが、イギリス軍がマークIV雄型・1輌に雌型2輌、ドイツ軍がA7V・3輌と車輌の数では互角であった。 ドイツ軍第3突撃戦車大隊(指揮:ヴィルヘルム・ビルツ少尉)A7V:3輌(内2輌は位置が離れていたので、戦闘に参加できず、実質1輌) イギリス戦車軍団第1大隊A中隊第1分隊(指揮:フランク・ミッチェル少尉)マークIV 雄型:1輌 マークIV 雌型:2輌 遭遇した両軍はほぼ同時に互いに気づいたが、機銃しか持たない雌型2輌はA7Vにより撃破された。ミッチェル少尉指揮の雄型はすかさず反撃し、ビルツ少尉搭乗のA7Vに直撃弾を与えた。イギリス戦車はドイツ戦車と違い、戦車戦の発生を想定していなかったために徹甲弾を積載しておらず、搭載していた榴弾ではA7Vの装甲を貫通できなかった。しかしA7Vの乗員は誘爆を恐れて車輌から脱出し、戦闘は終わった。 ドイツ軍側は直撃の衝撃で乗員5名の戦死者を出しているが、戦闘は、 ドイツ軍側の損害:A7V 1輌中破 イギリス軍側の損害:マークIV 雌型 2輌撃破 という、戦術的にはイギリス軍側の敗北となった。しかしドイツ側は、戦車を放棄し、歩兵も後退しているので、戦略的にはイギリス側の勝利であった。イギリス軍はこれを教訓として、雌型の片方の機関銃を6ポンド砲に乗せ換えた「雄雌型」の生産を開始するなど、対戦車戦を意識した対策を進める。 世界で二度目の戦車戦は、同日、1輌のマーク A ホイペット中戦車(ホイペットが敵戦車と交戦した唯一の戦闘)が、ドイツ軍のA7Vによって撃破されたものである。
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