取消不能の所有権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/30 14:11 UTC 版)
「トレンスシステム」の記事における「取消不能の所有権」の解説
取消不能の所有権の制度は、登記上の土地所有者または共有者に適用される。 州により法令が異なるが、ここではビクトリア州における例を紹介する。同州では1958年土地譲渡法(Transfer of Land Act 1958)によりトレンスシステムが定められている。同州では、権利の登記により、登記上の所有者は同法42条に規定する場合を除き土地に対して他人の権利主張に優越することができる。同条に定める除外事由は以下の通り。 登記上の他の所有者 優先する登記を備える者(42条(1)(a)) 登記上の過誤により対価を伴わずに登記を取得した場合(以後の取得者を含む)(42条(1)(b)) 42条(2)(a)-(f)に限定列挙する優先権による場合 これに加えて、取消不能性の例外となる事由がある。主なものは以下の通り。 詐欺 - 登記上の権利者が詐欺により登記名義を獲得した場合 人的抗弁 - 登記上の権利者と登記を経由していない者とが直接の契約または保証関係にあることが立証される場合 後法の優先 - トレンス法の後に成立した法律がトレンス法と矛盾するときは、後法が優先する 無償譲受人 - 登記上の権利者が権利を約因(consideration)なく取得した場合(例: 遺言により遺贈された場合)。なおニューサウスウェールズ州ではビクトリア州と異なり、無償譲受人も取消不能の所有権を取得する。
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