反応後の処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 22:58 UTC 版)
「水素化アルミニウムリチウム」の記事における「反応後の処理」の解説
LAHは前述のように高い反応性を持つので、反応終了後の処理の際には慎重に分解を行う必要がある。また処理の仕方によってはアルミニウムを含む不溶性の沈殿が大量に生成し、ここに目的物が吸着されると収率を低下させる要因になる。これを防ぐためいくつかの処方が知られている。 X gの LAH で還元を行った反応液に、X mLの水、X mLの15%水酸化ナトリウム水溶液、3X mLの水を順次ゆっくりと滴下し、しばらく室温で攪拌する。灰色の沈殿ができたらセライトなどを用いて吸引濾過し、少なくとも50X mL以上の溶媒で洗う。溶媒を留去し、目的物を得る。 芒硝(硫酸ナトリウム十水和物)を大量に加え、含まれる水分によってLAHを分解する。酢酸エチルを加えてさらさらになるまで撹拌し、不溶物をセライトなどを用いて濾過、溶媒を留去する。 ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)飽和水溶液を低温でゆっくりと加え、30分ほど撹拌するとアルミニウム塩が酒石酸とキレート錯体を形成し、溶解する。これを分液処理する。 0 °Cに冷却した上で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させる。この灰色のエマルジョンにトリエチルアミン/メタノール/酢酸エチル3:10:87の混液(反応溶媒のTHFに対して2.5倍量)を加え、セライトなどを用いて濾過する。濾液を通常通り分液処理し、目的物を得る。
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