危険な妊娠中絶
危険な妊娠中絶は世界で毎年約1900万人が実施しており、そのうち約1850万人が開発途上国に住んでいる。アジア(1050万人)、アフリカ(420万人)、ラテン&カリブ(380万人)である。毎年、約68000人の女性が危険な妊娠中絶が問題となり死亡し、そのほとんどが開発途上国で起きている。アフリカでは危険な妊娠中絶の59%が15-24歳の若い年齢層である。危険な妊娠中絶は、合法でない場合は専門技術者の施術でないため、技術の問題、不衛生な器具の使用、術後の管理不徹底など、手術そのものが死に直結している。術中の子宮の穿孔、胎児や胎盤の遺残、出血、ショック、術後感染症の併発、ひいては子宮内・骨盤内感染を繰り返すことによる不妊症など、女性の健康に悪影響を及ぼすものである。危険な妊娠中絶をなくすためには望まない妊娠の防止が重要である。そのために情報・教育・広報活動や、避妊法の選択肢の充実、家族計画サービスの質の向上、国家政策としての取り組みが等必要である。(丹野かほる)
参考資料:department of reproductive health and research, World Health Organization
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