千葉幸右衛門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/02 04:40 UTC 版)
周作の父。陸前国栗原郡花山村の郷士の次男坊として生まれ、成人した後に家を出て奥州を流浪した。源頼朝に仕えて鎌倉幕府の創建を助けた千葉氏を祖先に持つことに誇りを持ち、剣技の腕を持って家名を再興しようとするが芳しくいかず、流浪の生活の中で周作を儲けるも妻を失い、栗原郡の荒谷村に住む遠縁の老剣客・千葉吉之丞に身を寄せてそのまま養子となった。吉之丞が編み出した「北辰夢想流」の剣術を伝授されるものの田舎に逼塞する身では役に立たず、馬医者となって露口をしのいで暮らしてきた。千葉家の再興という宿願に異常なほどの情熱を燃やし、自身が世間に敗れて夢を挫かれた後も息子の周作を剣豪に育てるべく、幼いころより徹底して剣術を仕込んだ。やがて老剣豪・佐藤孤雲に周作の子柄を褒められたことから、果たせなかった家名再興の夢を息子に委ねることにし、天稟を見た周作に剣術の教育を受けさせるべく一大決心の末に息子を連れて江戸に出る。
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