北方の貿易と貨幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:42 UTC 版)
「中国の貨幣制度史」の記事における「北方の貿易と貨幣」の解説
山丹人とも呼ばれるニヴフやウリチは、清の統治を受けつつ樺太アイヌと山丹貿易を行った。山丹人の商品は清に朝貢をして得た絹織物(蝦夷錦)や大陸の産物で、アイヌの商品はクロテンなどの毛皮や江戸幕府から得た鉄製品だった。取り引きにおいて金属貨幣は使われず、清で重宝された樺太産のクロテンを価値尺度の貨幣として使った。山丹側の商品はクロテンの枚数で計算されたのちに、毛皮や鉄製品を混ぜて交換された。クロテンの毛皮1枚=銀2両、高級とされたカワウソの毛皮はクロテン2倍の比価だった。ニヴフやウリチと取り引きをする漢人の商人は、ヤ、ジハ、ツィクリタ・ジハと呼ばれる3種類の価格単位を使い、それらは清の貨幣単位に対応していた。最大のヤは銀貨1両、最小のツィクリタ・ジハは清の銅貨1枚にあたり、ニヴフはヤのみを使った。清の貨幣は商品を交換する時の計算単位に使うのみであり、ニヴフは清から金属貨幣が流入しても装飾品として使った。
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