化学反応における同位体効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/03 04:40 UTC 版)
「同位体効果」の記事における「化学反応における同位体効果」の解説
化合物中の原子を同位体に置換した際に反応速度に変化が見られることを速度論的同位体効果という。 化合物中の原子を同位体に置換すると元の原子との質量の違いにより結合エネルギーが変化する。同位体が元の原子と比較して重い場合、結合エネルギーは強くなる。そのため、その結合が切断される反応は遅くなる。これを一次の同位体効果という。 結合エネルギーの変化は同位体ともとの原子の質量比が大きいほど大きくなる。そのため、もっとも顕著に同位体効果が現れるのは軽水素をトリチウムに同位体置換したときである。その次が軽水素を重水素に同位体置換したときである。なお、これには軽水素の質量が小さいためにトンネル効果が起こりやすく結合が切断されやすいことも寄与している。 また、同位体置換された原子の担う結合が反応に関与していない場合でも、小さな同位体効果が見られることがある。これを二次の同位体効果という。
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