化合物と同素体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 14:56 UTC 版)
塩化金(III) (AuCl3) とテトラクロリド金(III)酸(塩化金酸)(HAuCl4) は最も有名な金化合物の一つである。金を含む化合物は多くの場合、金原子は+1または+3の酸化状態として存在する。 金イオンは1価、3価ともに軟らかい酸であり、軟らかい塩基と錯体を形成しやすい。またフッ素との反応では+5価の酸化状態もとり、フッ化金(V) (AuF5) を形成する。さらに金疹とよばれる Au− のアニオン(金化物イオン)を含む金化セシウムCsAu や 金化ルビジウムRbAu、および金化テトラメチルアンモニウム (CH3)4N+ Au−) のような化合物を形成する。これは水素化ナトリウムにおけるヒドリドのように、主に非金属元素がとる-1価と同形式のものである。 これまで合成された金の化合物の種類は同族の銀や銅と比べて少ない。下記に主な化合物を列挙する。 テトラクロリド金(III)酸 (H[AuCl4])(金は王水に溶けて AuCl4− イオンを作る) ハロゲン化金(フッ化金(フッ化金(III)、フッ化金(V))、塩化金(塩化金(I)、塩化金(III)、八塩化四金)、臭化金、ヨウ化金)(AuX, AuX3) カルコゲン化金(酸化金、硫化金、セレン化金、テルル化金)(Au2X, Au2X3) ジシアノ金(I)酸カリウム (K[Au(CN)2]) 雷金 (Au2O3·nNH3) - イミドあるいはアミド基を含む爆発しやすい緑色または黄褐色の粉末である。 金チオリンゴ酸ナトリウム(C4H4AuNaO4S) 水酸化金(III) (Au(OH)3) なお、金の同素体は確認されていない。
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