かん‐ごう〔‐ガフ〕【勘合】
勘合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:31 UTC 版)
勘合(かんごう)は、日明貿易等に用いられた、明と朝貢国間の正式の来貢、通交船であることを証明する明が発行した割符。勘合符(かんごうふ)とも称され、勘合を「勘合符」の略と解説する辞書・事典類も多いが、中国側において公式に用いられた用語は勘合であり、日本においても江戸時代以後に用いられた「勘合の符」という呼称の略として用いられた俗称が勘合符であったと考えられている[1]。
- ^ 「勘合符」と言う言葉は、長年『広辞苑』・『日本国語大辞典』などにおいて用いられてきた。だが、田中健夫が1981年に論文「勘合符・勘合印・勘合貿易」(『日本歴史』392号、後に『対外関係と文化交流』(思文閣出版、1982年)に所収)において、「勘合符」が江戸時代以後に日本でのみ用いられた俗称に過ぎないことを立証したため、以後の教科書・辞書・事典類では「勘合符」という言葉を避け、「勘合」という言葉を採用する例(『国史大辞典』など)や、項目名に「勘合符」を採用しても定義部分でそれが正式名称ではないことを記述する例(『日本史大事典』など)が増加している。
- ^ この時代、明(1488年 - 1505年)と日本(1555年 - 1558年)で全く同じ「弘治」という元号が用いられているが、偶然の一致に過ぎない。
- ^ 田中健夫は、「勘合」という言葉自体に割符・証明書の意味を有しているため、わざわざ「符」を付け加える必要性が無いこと、また「符」という字の持つイメージから実際には紙製である勘合を竹製や木製の札のようなものという誤解を招きやすいことを指摘して、「勘合符」という用語自体が望ましくないと述べている(田中、1997年、P91-92)。
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