労役の強要~シアーズの脱走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:58 UTC 版)
「戦場にかける橋」の記事における「労役の強要~シアーズの脱走」の解説
翌朝、斉藤はイギリス軍兵士たちに、技師である三浦中尉の指揮下で5月12日までに橋の建設を終える命令を下した。「将校も労役に参加する義務がある」と述べた斉藤に、ニコルソンは「将校の労役は禁ずる」とするジュネーブ協定の条文を見せて再び抗議。しかし斉藤は、「敗者の掟は無価値である」としてそれを退けた。それでも頑なに労役を拒否するニコルソンに斉藤は、3つ数えるまでに作業場へ向かわねば機関銃を発射すると宣告。3つ目を数えようとしたその時、軍医であるクリプトンが収容所から飛び出し「非武装の者を射殺するのが日本人か」と斉藤を非難。斉藤は宿舎の奥へと姿を隠した。 射殺こそ免れたクリプトンら将校一同であったが、機関銃の銃口が向けられたまま炎天下を直立不動で延々と立たされた。意識を失う将校がいる中を日没まで立ち続けたニコルソンらであったが、斉藤の命令により将校全員が営倉に監禁されることになった。この暴挙に、捕虜となった兵士は大挙して大声を上げ抗議。すると宿舎の中から日本兵に肩を抱かれ、意識を失ったニコルソンが現れた。 抗議の首謀者である彼は「オーブン」と呼ばれる、最も日照りの強い重営倉に監禁された。その夜、シアーズは仲間2人と収容所を脱走。仲間は日本兵に発見され射殺された。シアーズも、一発の銃声とともに川底に姿を消した。
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