副腎皮質癌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 17:30 UTC 版)
副腎皮質癌は、非常に稀であるものの、臨床的にきわめて悪性度の高い腫瘍である。この腫瘍は小児でも成人でも発生しうる。他の副腎皮質腫瘍と同様、ステロイドホルモンを過剰産生されることにより臨床的に異常をきたす、機能性腫瘍の場合もあるが、多くの副腎皮質癌は非機能性である。この病変は通常、後腹膜腔の深部で発生するため、診断されたときには、かなり増大していることが多い。この病変は頻繁に腎静脈や大静脈といった大血管に進展するほか、リンパ行性・血行性に肺やその他臓器に遠隔転移する頻度も高い。もっとも有効とされる治療法は外科的切除であるが、既に進行しており手術不可である例も多い。全生存期間は短く、予後は不良である。進行例にはミトタンという副腎皮質に直接細胞毒性を発揮する薬剤が使用されるほか、化学療法、放射線療法といった集学的治療が考慮される。
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