初期生産型の改修
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 03:41 UTC 版)
初期生産型を火炎放射戦車へ改修することが考慮されていたため1輌が試作車として改造された。1939年9月27日に最初の15輌の改修が発注され、1940年4月23日にはすべて車両を改修することが決定した。にもかかわらず、この計画と両立しない並行計画も存在した。1939年9月、中央運転学校(ECC)で使用されていた5輌のうち2輌が試験的に長砲身に換装し、3輌の戦車が訓練に使用された。1940年の冬には有力な戦車であるソミュアS35およびルノーB1の配備数は300輌程度に過ぎず、フランス軍は自らに十分な火力を有する戦車が欠如していることを認識するに至った。ここに49輌(火炎放射戦車に改造した1輌を元に戻すのは手間のかかる作業であるので除外)の戦車を追加することができれば、少なからぬ戦力の増強になるはずである。このため初期生産型のAPX 1砲塔をAPX 1Aに換装することが決定した。これは、ルノーB1として製造された戦車ルノーB1bisと同等のものアップグレードするときに行われたのと同じ作業である。APX 1Aは原型と同様の単眼鏡を備えていた。 3月9日から改修のために初期生産車両の砲塔が5輌3セットを1バッチとして15輌ずつリュエイユ工廠(Atelier de Rueil)に送られた。車体のオーバーホールも計画されていたが予備部品の不足などの影響で遅れ予定通りにはいかなかった。砲塔と砲塔が別々に分けられたために即座に戦闘配備に戻すことが難しくなった。第19戦車大隊の第二中隊から3月11日に最初の5両が離脱した。このバッチには指揮戦車と予備車両も含まれている。4月12日には第2バッチの15輌が送られた。特筆すべきことに、この計画が進行中にも関わらず火炎放射戦車への改造計画は公式に中止されることはなく、書面上においてだけは進行中であった。
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