初期の宗教活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/22 17:30 UTC 版)
「ムハンマド・イブン・アブドゥル=ワッハーブ」の記事における「初期の宗教活動」の解説
イブン・アブドゥル=ワッハーブは故郷の村に戻ると布教をはじめた。彼の説法に惹きつけられた信者の中にはアル=ウヤイナの有力者、ウスマン・イブン・ムゥアンマルもいた。彼には、自らの支配地域を「ナジュド全域に広げ、神が望みたもうならば、さらに」という政治的野望があった。イブン・アブドゥル=ワッハーブとイブン・ムゥアンマルは、お互いの布教と政治的野望という目的を達成するために協力し合うことにした。イブン・アブドゥル=ワッハーブは宗教改革に向けたいくつかの考えを実行に移し始め、まず最初に、地元民の信仰を集めていた預言者の教友、ザイド・イブヌル=ハッターブ(英語版)の霊廟を打ち壊すことにした。彼は、イスラームの教えは霊廟崇拝を禁じていると唱え、イブン・ムゥアンマルに力を貸すように説得した。次に、地元民に神聖視されていた木々を切り倒すようにイブン・ムゥアンマルに命令し、「すべての木々の中で最も栄えあるもの」を自らの手で切り倒した。イブン・アブドゥル=ワッハーブは、密通を犯したと告白した女性に対して石打刑を執行することを導入したことでも知られる。 アル=ウヤイナ村でのこれらの動きは、ナジュドに隠然たる影響力を保持していたアル=アフサーゥとアル=カティーフのアミール、バヌー・ハーリド(アラビア語版)部族のスライマーン・イブン・ムハンマド・イブン・グライルの注意を引いた。イブン・グライルはイブン・ムゥアンマルに対して、もしおまえがイブン・アブドゥル=ワッハーブを殺すか追放するかしなければ、おまえがアル=アフサーゥに所有している地所の徴税権は失うことになるぞと脅した。イブン・ムゥアンマルは脅しに屈し、イブン・アブドゥル=ワッハーブにアル=ウヤイナから立ち去らせた。
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