切り捨て・切り上げ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 01:06 UTC 版)
整数部分をそのまま残し、小数点以下を0とする丸めを「切り捨て」という。それに対し、小数点以下が0でなかった場合整数部分を1増やし、小数点以下を0とする丸めを「切り上げ」という。 負の数を考えると、切り捨て・切り上げに準ずる丸めは、4種類ある。それぞれ「○○への丸め」と呼ばれる。 符号を無視して絶対値を丸める場合、切り捨ては、常に0へ近づく(または変わらない。以下では省略)ので「0への丸め (rounding toward zero; RZ)」、切り上げは、常に数直線上の無限遠点へ近づくので、「無限大への丸め (rounding toward infinity; RI)」と呼ばれる。単に切り捨て・切り上げというと、これらをさす。 逆に、正数の場合と増減を同じ向きにする場合は、切り捨ては、常に減るので「負の無限大への丸め (rounding toward minus infinity; RM)」、切り上げは、常に増えるので「正の無限大への丸め (rounding toward plus infinity; RP)」と呼ばれる。 切り捨て・切り上げは、最も計算が単純な丸めである。その一方で、丸め誤差の上界が1(最大が1近い)と大きい。さらに悪いことに、誤差が常に同じ符号であるというバイアスがあり、丸めた数を多数足し合わせると、個数に比例して丸め誤差が累積する。この欠点のため、限られた目的にしか使われない。 数値が増えては困る/減っては困る場合は、切り捨てや切り上げが使われる。 安全基準は、常に安全な方に丸められる。 誤差や不確かさは、切り上げられる。 数値が実際より増えると誇張・虚偽・捏造・難解と見なされる恐れがあるときは、切り捨てられる。 数値が実際より減ると矮小化・虚偽・捏造と見なされる恐れがあるときは、切り上げられる。
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