分類・系統・名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 04:30 UTC 版)
スズキ目のアジ科に属する約30の属のうちのひとつである、アイブリ属(Seriolina)に属する唯一の種である。 初記載は1829年、ドイツの博物学者エドゥアルト・リュッペルによるものである。彼は本種にNomeus nigrofasciatusという学名を与え、エボシダイ属Nomeusに分類した。その後本種は脇谷洋次郎が創設したアイブリ属Seriolinaに移され、現在に至る。コンラート・ヤコブ・テミンクとヘルマン・シュレーゲルは『日本動物誌』においてSeriola intermediaという種をシーボルトが日本で集めた標本を元に記載し、ブリ属Seriolaに分類しているが、これは現在では本種のシノニムとされている。 このような経緯から現在有効な本種の学名はSeriolina nigrofasciatusである。属名のSeriolinaはブリ属の属名Seriolaに指小辞の"-ina"を加えたものである。種小名のnigrofasciatusはラテン語で「黒い斑紋がある」という意味を持つ。標準和名のアイブリ(合鰤)は、ブリの仲間とそうでない魚の合間で中間的な性質を示すことに由来するとされる。日本における地方名として、他にシホノオバサン(和歌山)、バカ(和歌山)、ハマチ(高知、ブリの中型個体と同じ呼称)などがある。 本種のミトコンドリアゲノムを解読しアジ科内での系統を推定した研究においては、本種は姉妹群の関係にあるブリ属の魚類とともに一つの単系統群を形成すること、そしてこの単系統群がアジ亜科の魚類と姉妹群の関係にあることが示唆された。
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