典拠不明の漢字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:42 UTC 版)
「JIS X 0208」の記事における「典拠不明の漢字」の解説
JIS X 0208:1997附属書7において、典拠不詳、不明または同定不能とされる漢字区点図形種別52-55 墸 不明 52-63 壥 不明 54-12 妛 典拠不詳 55-27 彁 同定不能 57-43 挧 典拠不詳 58-83 暃 典拠不詳 59-91 椦 典拠不詳 60-57 槞 典拠不詳 74-12 蟐 典拠不詳 74-57 袮 典拠不詳 79-64 閠 典拠不詳 81-50 駲 典拠不詳 詳細は「幽霊文字」を参照 従来、漢字集合に一般の漢和辞典に見られない漢字が含まれていて、その典拠が不明であることが指摘されていた。例えば、第1次規格制定の1年後には、田嶋一夫(1979)が、『新字源』にも『大漢和辭典』にも見られず、略字としても把握できない漢字を63文字認めたことを報告し、「漢和辞典で確認できない漢字が、確かな基準で選択されたものであることを望む」とした。これらの漢字はやがて、幽霊文字、幽霊漢字などと称されるようになった。 第4次規格の原案作成委員会も、典拠不明の漢字の存在を問題視し、第1次規格の原案作成委員会がいかなる資料を参照したかを調査した。その結果、第1次規格の原案作成委員会が『対応分析結果』に大きく依拠して漢字を収集していたことが判明した。第4次規格の原案作成委員会が『対応分析結果』を入手して検討したところ、一般の漢和辞典に見られないにもかかわらず漢字集合に含まれている漢字の多くが、『対応分析結果』において『日本生命収容人名漢字』または『国土行政区画総覧使用漢字』とされていることがわかった。 『日本生命収容人名漢字』については、『対応分析結果』が参照した原典が現存しないことが判明した。『国土行政区画総覧』については、第4次規格の原案作成委員会に加わった笹原宏之が、第1次規格開発当時の版の全ページに出現する漢字を調査した。委員会はまた、多くの古字書を参照し、NTTの電話帳データベースでの人名用例を調査した。 このような委員会の徹底的な調査によっても、委員会は、表に示す12の漢字の典拠について確信を持つことはできなかった。これらのうちには、誤写による誤字体と推測されているものが多い。
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