共通生合成経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/16 07:21 UTC 版)
全てのRiPPsの生合成経路ではまず、リボソームによって前駆体ペプチド (precursor peptide)と呼ばれる、リーダーペプチド (leader peptide)とそれに続くコアペプチド (core peptide)を含む20〜110鎖ほどのペプチドが合成される。リーダーペプチドは通常、最終生成物の元となるコアペプチドへの化学修飾を行う酵素が修飾部位を識別するため、また細胞内の輸送に必要とされる。RiPPsによってはコアペプチドに続き識別配列 (recognition sequence)が合成され、ペプチドの切断や閉環反応に利用される。また真核生物で見られるRiPPsには、リーダーペプチドの前部に、細胞内の輸送を助ける働きのあるシグナル部位が合成されることもある。 生成された前駆体ペプチドの無修飾コアペプチド (unmodified core peptide; UCP)上では、脱水反応(ランチペプチド類やチオペプチド類など)、脱水環化反応(チオペプチド類など)、プレニル化(シアノバクチン類など)、閉環反応(ラッソペプチド類など)など様々な修飾が酵素によって起こされ、修飾コアペプチド (modified core peptide; MCP)となる。その後、前駆ペプチドの修飾コアペプチド以外の部位はタンパク質分解酵素により切断され、生物活性な天然物であるRiPPsが最終的に生成される。
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