共有結合の形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:37 UTC 版)
細胞内で産生されたタンパク質の多くは細胞外に分泌され、細胞外タンパク質として機能する。細胞外タンパク質は、さまざまな条件にさらされる。タンパク質の立体構造を安定化させるために、タンパク質内で共有結合が形成されたり、あるいは四次構造内の異なるポリペプチド鎖間で共有結合が形成される。最も一般的な種類は、ジスルフィド結合(ジスルフィド架橋と呼ばれる)である。ジスルフィド結合は、硫黄原子を含む側鎖の化学基を用いて2つのシステインアミノ酸の間に形成される。これらの化学基はチオール官能基として知られている。ジスルフィド結合は、タンパク質の既存の構造を安定させる働きがある。ジスルフィド結合は、2つのチオール基の間の酸化反応で形成されるため、反応するには酸化性環境が必要である。そのため、ジスルフィド結合は通常、小胞体内の酸化性環境下において、プロテインジスルフィドイソメラーゼと呼ばれる酵素の触媒作用によって形成される。細胞質内は還元性環境であるためジスルフィド結合はほとんど形成されない。
※この「共有結合の形成」の解説は、「タンパク質生合成」の解説の一部です。
「共有結合の形成」を含む「タンパク質生合成」の記事については、「タンパク質生合成」の概要を参照ください。
- 共有結合の形成のページへのリンク