公的扶助との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 01:41 UTC 版)
公的扶助(生活保護)が、実際に困窮に陥った場合に最低生活を保障する制度(救貧制度)であるのに対し、社会保険は、生活上のリスクによる困窮を予め防ごうとする制度(防貧制度)である。 一定の保護要件にあてはまる人は、すべて扶助の対象にし、また困窮の原因が何の事故によるものかを問わない「無差別平等の原理」に基づいて行われる。社会保険は、被保険者である人、また保険料を負担したことのある人に限って給付の対象とし、あらかじめ決められた保険事故に限り給付が行われる。 一定の保護基準が決まっており、多くの場合、均等の扶助が行われる「最低生活保障の原理(ナショナル・ミニマム)」に基づいて行われる。社会保険は、現実の生活レベルの保障を目標とし、生活費給付の場合、その給付額は、基本的に賃金所得に比例する。 保護を受ける人は、自分の能力、その人が利用できる資産や他の社会保障の制度等をフルに活用して、なお最低生活の水準に達しない場合に、その足りない部分を扶助される。また、民法上の扶養義務が扶助に優先し、扶助を受けるには、いつも資産調査(ミーンズテスト)が行われる。これらの「保護の補足性の原理」に基づいて生活保護が行われる。社会保険は、一定の要件を備えれば、資産や能力に関係なく給付が行われる。
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