全間接式変速機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 06:24 UTC 版)
変速機の中には副軸を使用せずに、全てを間接歯車でまかなっているものもある。 全間接式は直接駆動のトップギアの利点が認識される前の、非常に初期の自動車に使用されていた。当時はまだ、変速操作はメッシュの中と外に歯車を摺動させることで行われていた。ドッグクラッチが使用されるようになると、直接駆動トップギアの利点がすぐに認識された。 1960年代からの前輪駆動の普及に伴い、全間接式変速機が一般的になった。これは2本の軸のオフセット配置が副軸式変速機のインライン配置よりも便利な横置きのエンジンレイアウトと、フォルクスワーゲン・ビートルや多くのルノー車などに使われた縦置きトランスアクスルレイアウトで使用されたが、変速機の同じ側にドライブシャフトとドリブンシャフトの両方があることが求められた。 直接駆動のトップギアが使えないことは、巡航時の損失0%が実現できなくなるが、他のギアでの損失が4%から2%に減少することで補われている。騒音については、より静かで効率的な歯車形状を提供する最新の冶金学と工作精度によって低減されている。 全間接式変速機の場合、変速機の効率は全てのギア比で一定なので、直接駆動ないし1:1変速比でなくなった場合でもオーバードライブトップギアを備える利点がある。このような機能を提供した最初の大衆車はフォルクスワーゲン・ポロと、経済的なオーバードライブを示すエコノミーの'-E'を謳った Formel E だった。
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