入手できない活字の代替として(活版印刷時代)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 14:16 UTC 版)
「下駄記号」の記事における「入手できない活字の代替として(活版印刷時代)」の解説
活版印刷の工程において、文選から組版の段階で必要な活字が存在しない時に、とりあえず余っている活字を上下裏返しに組み込んでおきスペースを埋めていた。活字の背には溝があるため、下駄の足跡に見える形がゲラ刷り(校正紙)に印刷されたことからこう呼ばれる。 この溝は「グルーブ」といい、鋳造時の贅片(ぜいへん)と呼ばれる部分を折り取った跡である。折り取った跡はそのままでは滑らかでないので、活字用鉋を用いて手作業で仕上げていた。 グルーブによって隔てられた2つの部分を日本の活版用語では「フート」(footが訛ったもので文字通り「足」)といい、このフートが紙面に現れたものが下駄記号「〓」である。裏返した活字で代用することを「下駄を履かせる」ともいい、珍しい漢字の頻出する文章は下駄だらけになったという。 必要な活字は手彫りなどの手段で調達し、初校あるいは再校の段階で正しいものに差し替えた。最終的に出版される印刷物に、この記号が印刷されていることは通常ない。
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