兕觥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:21 UTC 版)
「中国の青銅器#酒器」も参照 『詩経』には「兕觥」(じこう)という酒器がしばしば出てくる。現代の中国考古学において、「兕觥」は怪獣の身体を模した注酒器を指す。これは民国初期の王国維が、宋代の古物図録『続考古図』の説を採用したことに由来する。 しかしながら、「兕觥」は本来、怪獣の身体ではなく兕の角を模した角杯・リュトンのような、円錐形の飲酒器を指していた、とする説もある。清代の古物図録『西清続鑑(英語版)』や『金石索』には、円錐形の兕觥の図が載っている。 『詩経』に出てくる兕觥は、罰爵、すなわち饗宴の際に礼を失った者に罰として飲ませる杯だった(『詩経』周南・巻耳の鄭玄箋)。青木正児はその理由について、あたかも日本の可杯のように、円錐形であるがゆえに飲み干すまで置けない(置いたら倒れる)ためだったと推定している。
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