儀式魔術における魔法円
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 08:41 UTC 版)
古典的な儀式魔術を記した古くからのグリモワールに各種魔法円の記載がみられるが、これらは主として、悪霊を呼び出す際、悪霊から術者の身を護るための防護円であり、円の外に一歩も踏み出してはならないとされた。近現代の儀式魔術でも、神々など上位の超越的存在を招き入れる召喚作業や、悪魔や精霊など下位の霊的存在を円の外に呼び出す喚起作業において、魔術作業の場となる聖域を定義する物質的基盤として、また、魔術作業にとって邪魔な外部の霊的諸力を遮断する結界として、魔法円が作られることがある。アレイスター・クロウリーはこう述べている。 魔術師は「神殿」 (訳注:儀式場、儀式を行う部屋) の中で作業する。(中略) この神殿内に、魔術師の作業領域を区切るために床に「円環」が描かれる。この円環は、敵対的な想念 (訳注:魔術作業の妨げになる想念、すなわち雑念・妄念と解釈できる) を締め出すために魔術師が頼みとするところの威光としての、神聖なる名前によって護られている。 しかしながら、魔術儀式の前段に行うのが通例となっている五芒星追儺儀式(ついなぎしき)によって想像上のアストラル的な円環が形成されるということもあり、物理的に魔法円を描くことは必須ではないという意見もある。
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