佐賀藩海軍の磁器食器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 23:39 UTC 版)
「三重津海軍所」の記事における「佐賀藩海軍の磁器食器」の解説
三重津海軍所の特徴的な遺物として、「海」「舩」「役」といった海軍所(公的機関)を連想させる文字銘と「灘越蝶文」(なだごしちょうもん)と呼ばれる文様を組み合わせた肥前磁器が挙げられる。「灘越蝶文」は蝶が海の波間を越える姿を描いた一見不思議(日本在来の蝶に海を越えて飛来するものはいない=少なくとも当時、自然界でみられなかった姿)文様で、三重津海軍所以外では「鍋島藩窯」(鍋島焼)等に類例が散見(有田陶磁美術館,田中丸コレクション,佐賀県立九州陶磁文化館等で所蔵)されるのみである。海軍所ではこの「灘越蝶文」を描いた椀や皿等が多数出土していることから、「蝶が波濤を越え飛翔する姿」(「灘越蝶文」)に激動期に設立した藩海軍所の姿を投影した特注品と考えられている。用途としては、海軍所備品や艦載食器が想定されており、「志田窯」(佐賀県嬉野市塩田町)等の自藩内の窯で製作されているという
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