佐介流北条氏とは? わかりやすく解説

佐介流北条氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 09:25 UTC 版)

佐介流北条氏(さすけりゅうほうじょうし)は、鎌倉時代執権北条氏の分流。鎌倉幕府連署を務めた北条時房の長男で、2代六波羅探題南方・北条時盛を祖とする。

概要

時盛は元仁元年(1224年)、3代執権北条泰時の嫡男・時氏と共に上洛し、父時房の後任として六波羅南方に就任し、以後18年間務める。この時点では時房の後継者の地位にあったと思われるが、鎌倉へ戻って以降は要職に就任せず、多くの息子も要職に就いていないことから、9歳下の弟である朝直大仏家)との家督争いに敗北したと見られる。朝直の義父でもある泰時が、朝直を重んじて時盛を排除することで時房流を分裂させ、泰時流(得宗家)の安定を図ったとする見解もある(実際に時盛は時房死去時と泰時死去時に後任の連署の地位を求めて鎌倉に下るが、泰時やその意向を受けた北条氏一門に拒まれている)[1]。ただし、時盛は朝直とは異腹で母が不詳であることから「庶兄」だったのではないかとする見解[2]、朝直は将軍源実朝偏諱を受けた可能性があり、彼が当初から嫡男だったとする見解もある。

その後、二月騒動をきっかけに、時盛の六男時員の子の時国が六波羅探題南方に就任し、復興の兆しも見られたが、弘安7年(1284年)4月の執権時宗死去から間もない6月に時国は悪行を理由に関東へ召し出され、常陸国へ配流となった後、10月には誅殺された。また時盛の次男・時光も同年8月、陰謀が露見したとして拷問を受けた後、佐渡国へ配流となり、佐介流は再び没落した。その後は時盛の次男政氏の子・盛房評定衆引付衆となって復興するが、時房流内の地位は嫡流の大仏家に圧倒されている。

系図

北条時政
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
得宗家時房
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
佐介流
時盛
(大仏流
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
時景時光時親政氏時俊時員
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
親房時継時家時方盛房時国
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
宣房貞尚貞高時元貞資国房

脚注

  1. ^ 石井清文『鎌倉幕府連署制の研究』岩田書院、2020年。 ISBN 978-4-86602-090-7 P205-211・228-235・261-264.
  2. ^ 倉井理恵「北条庶子家の一形態」『駒沢大学史学論集』第29号、1999年。 

参考文献

関連項目


佐介流北条氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 19:34 UTC 版)

北条時員」の記事における「佐介流北条氏」の解説

北条時房長男北条時盛の子北条時国の父。 北条時房次男北条時村の孫。父は北条時隆。兄弟北条宗房北条泰宗、女子(伊具流北条有義室、北条貞有と北条恒兼の母)がいる。名は北条時貞(ときさだ)とも伝わるが、兄の宗房と泰宗が8代執権北条時宗偏諱受けていることから、9代執権北条貞時一字受けた名である「時貞」が正式な名前とみられる

※この「佐介流北条氏」の解説は、「北条時員」の解説の一部です。
「佐介流北条氏」を含む「北条時員」の記事については、「北条時員」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「佐介流北条氏」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「佐介流北条氏」の関連用語

佐介流北条氏のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



佐介流北条氏のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの佐介流北条氏 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの北条時員 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS