位数と構造とは? わかりやすく解説

位数と構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 23:39 UTC 版)

位数 (群論)」の記事における「位数と構造」の解説

群の位数と元の位数はよく群の構造情報もたらす大ざっぱ言えば位数分解が複雑であればあるほど群も複雑である。 群 G の位数が 1 であれば、群は自明群呼ばれる。元 a が与えられると、ord(a) = 1 と a が単位元であることは同値である。G のすべての単位元でない)元がその逆元と同じで (a2 = e で)あれば、ord(a) = 2 でありしたがって G は初等的な群論英語版)によって a b = ( a b ) − 1 = b1 a1 = b a {\displaystyle ab=(ab)^{-1}=b^{-1}a^{-1}=ba} なのでアーベル群である。このステートメントの逆は正しくない例えば、6を法とした整数のなす(加法的巡回群 Z6 はアーベル群であるが、数 2 は位数 3 をもつ: 2 + 2 + 2 = 6 ≡ 0 ( mod 6 ) {\displaystyle 2+2+2=6\equiv 0{\pmod {6}}} . 位数2つ概念の関係は次のようである。a によって生成される部分群を ⟨ a ⟩ = { a k : k ∈ Z } {\displaystyle \langle a\rangle =\{a^{k}:k\in \mathbb {Z} \}} と書けば、 ord( a ) = ord ⁡ ( ⟨ a ⟩ ) . {\displaystyle \operatorname {ord} (a)=\operatorname {ord} (\langle a\rangle ).} 任意の整数 k に対して ak = eord(a) は k を割り切る一般に、G の任意の部分群位数は G の位数割り切る。よりきちんと書くと、H が G の部分群であればord(G) / ord(H) = [G : H], ここで [G : H] は H の G における指数呼ばれ整数である。これはラグランジュの定理である。(しかしながらこれは G の位数有限のときにのみ正しい。ord(G) = ∞ であれば、商 ord(G) / ord(H) は意味をなさない。) 上から直ちに出る結果として、群のすべての元の位数群の位数割り切ることがわかる。例えば、上で示され対称群において、ord(S3) = 6 であったが、元の位数1, 2, 3 である。 以下の部分的な逆が有限群に対して正しい: d が群 G の位数割り切り d が素数であれば、G の位数 d の元が存在する(これはコーシーの定理呼ばれることがある)。主張合成数位数に対して成り立たない例えば、クラインの四元群位数 4 の元をもたない。これは帰納法によって証明できる定理結果は次を含む:群 G の位数素数 p のベキであることと G のすべての a に対して ord(a) が p のあるベキであることは同値である。 a の位数が無限であれば、a のすべてのベキ同様に無限の位数をもつ。a の位数有限であれば次の公式が a のベキ位数に対して成り立つ: すべての整数 k に対して ord(ak) = ord(a) / gcd(ord(a), k) とくに、a とその逆元 a−1 は同じ位数をもつ。 任意の群において、 ord ⁡ ( a b ) = ord ⁡ ( b a ) {\displaystyle \operatorname {ord} (ab)=\operatorname {ord} (ba)} 積 ab の位数を a と b の位数関係付ける一般的な公式は存在しない。実は、a と b の位数両方有限であるのに ab の位数が無限であったり、a と b の位数が無限であるのに ab の位数有限であることがある前者の例は群 S y m ( Z ) {\displaystyle \mathrm {Sym} (\mathbb {Z} )} において a(x) = 2-x, b(x) = 1-x で ab(x) = x-1。後者の例は a(x) = x+1, b(x) = x-1 で ab(x) = idab = ba であれば少なくとも ord(ab) は lcm(ord(a), ord(b)) を割り切るということは言えるその結果有限アーベル群において、m で群の元のすべての位数最大値表せばすべての元の位数は m を割り切ることを証明できる

※この「位数と構造」の解説は、「位数 (群論)」の解説の一部です。
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