伝統的な推定音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 02:45 UTC 版)
セム祖語には29の子音が再構される。すべての子音は長子音にすることができる。これに対して母音は *a *i *u の3つのみであり、いずれも長母音にすることができるが、長母音は開音節にのみ現れる。二重母音は音韻的には存在しないが、母音の後ろに子音 y / w が後続した形(*ay, *aw など)は、しばしば「二重母音」と呼ばれる。音節構造は単純で、CV, CV:, CVC の3種類しかなかったようである。 サイハド語では29すべての子音の区別を保っているが、大部分の言語では複数の子音がひとつになり、たとえばアッカド語では18種類の子音しか区別されない。 伝統的には以下のような音素をもつものとして再構されていた。下図ではセム語学で用いられる表記と、予想されるIPAでの表記をともに示す。 子音有声音無声音強勢音鼻音接近音ふるえ音両唇音b [b] p [p] m [m] 歯間音ḏ [ð] ṯ [θ] ṱ [θˁ] n [n] r [r] 歯茎音d [d] t [t] ṭ [tˁ] z [z] s [s] ṣ [sˁ] 側面音l [l] ś [ɬ] ṣ́ [ɬˁ] 硬口蓋音 š [ʃ] y [j] 軟口蓋音g [ɡ] k [k] q [kˁ] w [w] ġ [ɣ] ḫ [x] 咽頭音ʻ [ʕ] ḥ [ħ] 声門音 ʼ [ʔ] h [h] 母音短母音長母音狭母音i [i] u [u] ī [iː] ū [uː] 広母音a [a] ā [aː]
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