伝染性軟ゆう腫

微生物の用語解説

伝染性軟ゆう腫 [mulluscum contagiosum]

　子供の軟らかいイボのことで、好発部は顔面、腕、背、臀部で、表皮に限局して発生する。直結２～３mmの大きさで、真中の凹んだ結節のなかの細胞の細胞質内に好酸性封入対が観察され、その封入体のなかに電子顕微鏡でウイルス粒子の塊が観察され、そのウイスルは天然痘のウイルスに似ている。培養することは難しいが、皮内にイボを接種するとヒトでは移植が可能で、直接または間接的な接触により感染が拡大する。
一方、イボには硬いイボもあり、硬ゆうVerrucae, wartsという。軟ゆうと違い核内に好酸性封入対があり、電子顕微鏡でウイルス粒子の集団が観察され、約４５nmの大きさでpapovavirusに属する。培養は難しいのでウイルスの詳細はまたよく判っていない。