人の性は善なり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 22:49 UTC 版)
金融機関経営においては、お金を扱う関係から、相手を疑い、ともすれば「性悪説」で相手を考えるということが常識となっているが、小原は、若い時からのさまざまな経験と苦労を経た結果、逆に「人の性は善なり」ということを自らの信条としていた。あるとき、小原は、世間から山師と蔑視され、乱暴で、相手にされなかった人間から融資の相談があった。しかし小原は、そのときに、相手をそうした色眼鏡で見ずに、ひとりの人間として丁寧に接し、相手の人柄が信頼ができ、大丈夫と判断して「私はあなたを信用します」と告げ、思い切って融資をおこなった。その相手は事業に成功し、やがて国会議員となり、地元の名士が集まって祝いの宴席が設けられた。その際に、その国会議員は「小原さんはおられるかな。今日は床の間に小原さんをすえなきゃ俺は座らない。帰るぞ」と言い、末席にいた小原を招いて床の間に座らせ「私が五反田にいたころ、ほとんどの人が私をヤクザ扱いしたが、小原さんだけは、一人前の人間として扱ってくれた。だから私も、その信頼を裏切らないように、今日まで一生懸命働き、頑張ってきた。私が今日あるのは、ひとえに小原さんのおかげである」と深く感謝したという。こうした経験を経て、小原は「相手を信じて、恩情を持って接すれば、その心は必ず相手に通じ、相手もまた信頼と恩情に応えようと精一杯努力するものである。このように、『人の性は善なり』と考えるべきであり、私の経験でも、まず裏切られるようなことはなかった」と強調していた。
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