五蠹(第四十九編)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 17:04 UTC 版)
堯、舜についての禅譲である。この禅譲に対して、「堯が天下の王だった時は、質素な宮廷で、粗末な食事を食べ、貧しい衣服を着ていた。今の世の門番が貧しいとはいえ、これよりはましである。これらのことから言えば、かの古の時代の天下譲るということは、門番の貧しい生活を捨てたり、奴隷の労役から離れるということだ。だから天下を譲るといっても、たいしたことではない。しかし今の県令ですら、その死後に子孫は末長く馬車を乗り回して暮らせるほど豊かである。だから人はその地位を重く思う。よって人が地位を譲るということは、古代は天子の地位を譲ることを軽んじ、現代は県令の職を離れ難いと思うのは、その実利が違うからである。
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