五山版
五山版の書物としての価値は、内容的にはその独立性・自由性にあり、外形的には日本的形態(和本)の完成にある。独立とは仏教からの独立、自由とは宗教からの自由である。五山版は名目的には、まだ仏教界から完全に独立していないが、内容的には宗教の枠組から大きくはみ出、文芸・史伝・教育、ときには技術的なものにも手を出し、仕事の一部は俗社会人の手でおこなわれた。これは五山版以前には、ほとんど見られない現象で、春日版・高野版・叡山版・浄土教版などは、いずれも僧侶の手で行われ、開版されたものはすべて宗教書、すなわち仏典であった。仏教書を古くは内典とよび、仏典以外の書物を外典と呼んだ。この呼び方からすれば、五山版以前の出版物はすべて内典で、外典は例外的にすくなく、五山版に至って文芸・史伝などの外典が刊行された。
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