主教座と大聖堂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/10 09:20 UTC 版)
主教座の名は、主教の座る椅子が聖堂に設けられることから来る。主教座はギリシャ語で"Καθέδρα"、ラテン語で"cathedra"といい、大聖堂(カテドラル)の名はこの椅子に由来する。大主教が管掌する聖堂を大主教座聖堂、主教が管掌する聖堂を主教座聖堂と呼び、これら両方を大聖堂と呼ぶが、主教が管轄していない大型の聖堂も通称として大聖堂と呼ばれる事がある。 正教会の場合は、片仮名表記「カテドラル」は用いられない。用いられている「大聖堂」の表記についてもカトリック教会とは異なる語義を有する事に注意が必要である。主教座聖堂でなくともロシア語の"собор"(サボール)は「大聖堂」「大寺院」と訳されるのが普通であり、さらに主教座聖堂・主教座教会であっても小規模な聖堂を「大聖堂」と呼称しない場合がある。正教会では主教が管掌することを意味する言葉「主教座」と、大型の聖堂を意味する「大聖堂」とは、別の言葉として扱われている。従って「主教座でない大聖堂」と「主教座聖堂(大聖堂ではない)」のいずれもが、正教会には存在する。 日本では、ギリシャ語の"Καθεδρικός"(カセドゥリコス)、ロシア語の"Кафедральный"(カフェドラリヌィ)に「主教座」の訳語をあて、ギリシャ語の"ναός"(ナオス)、ロシア語の"собор"(サボール)に「大聖堂」の訳語をあてるのが一般的である。
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