中間財貿易と資本輸出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/16 06:19 UTC 版)
資本財とは、「将来の収益を期待して商品生産に投入する用途に用いられる商品」であり、原材料・仕掛品・製品の在庫などの流動資本財,非居住用建物・構築物,生産機械設備・装置,運搬・運送機器(船舶・自動車・フォークリフトなど),その他工具備品などの固定資本財に大別される。このうち、流動資本財は、国を越えて輸出されるときには中間財である。固定資本財が輸出される場合、輸出先国では、固定資本形成に用いられ、これらは国民経済計算上は最終財と見なされる。しかし、生産企業の固定資本形成向け固定資本財は、長期的には生産に投入されるものであり、広義の中間財ともいえる。 資本財の輸出と資本輸出とは厳密に区別されなければならない。資本投資は現地企業の支配を目的とする直接資本投資と利得取得を目的とする証券投資(間接資本投資)とに分かれる。A国からB国へ直接資本投資がなされるとき、もしその資金でA国と類似の生産工場をB国に作るとき、A国からB国にさまざまな工場設備が輸出されることがある。このように直接資本投資と資本財の輸出とは結びついている場合があるが、資本財の輸出入が国際間の資本移動を伴うとはかぎらない。直接資本投資を中心とする資本投資ないし生産要素移転(資本を生産要素の一つと見なす場合)の分析は、主流派経済学・非主流経済学を含めて多数ある。資本輸出論あるいは生産要素移転論では、中間財貿易の問題は扱われていない。
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