両刃造

刀剣用語解説集

両刃造（もろはづくり）

室町時代中期の文明頃から天正頃にかけて多く造られた短刀の造り込みの一形態。鎬筋を境にして上下に刃が付けられ、刺突の効果を増大させかつ截断の利をも持たせた恐るべき構造で、接近戦などでの組み打ちにおいて絶大な効果を表した。剣も両刃造の一種だが製作された時代背景や使用方法が異なるところから別に分類されている。また切先部分のみが両刃となった造り込みを切先両刃造と称する。対敵する相手に対して効果的であるが故に一度その刃が自分自身に向けられた時には致命的損傷を負う危険を伴うところから、転じて一方では利を生む事象が他方では危険になり得ることの譬えとして両刃の剣の諺が生じた。