不必要な画像診断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 05:37 UTC 版)
「無駄な医療」も参照 CTのような高額な装置の場合、検査が過剰に行われる懸念が指摘されている。ただ、現時点では、諸外国と比較したときCTとMRIの装置台数は際だって多いが、装置の活用度はほとんど最下位であり、検査数としてはそれほど多いという状況でではない。 実際、低線量の放射線被ばくによる影響には不明な点が多いが、低線量の被ばくも発がんを生じるという仮説(LNT仮説)にも基づき15ヵ国で放射線検査の頻度にともなう発癌リスクを調べた結果によれば、日本の医療被曝による発癌リスクは3.2%(年7587件の発癌数に相当)と最も高く、これは欧米諸国に比べても3倍程高い数字であり、特徴としてCT検査による被曝が大きな比重を占めており、他国に比べてCT装置の設置台数が多い事などが背景にあるのではと指摘されている。 アメリカ食品医薬品局では画像診断法における不要な放射線照射を減ずる方針が提示されている。一方、被曝を抑えるために装置の改良も行われており、低線量ヘリカルCTなどが開発され、検診対象者をヘビースモーカーといった高リスク群に絞って成果を挙げているが、偽陽性などの問題も指摘されている。
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