不均一塑性変形域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 21:11 UTC 版)
「応力-ひずみ曲線」の記事における「不均一塑性変形域」の解説
降伏後の応力-ひずみ曲線を公称応力で追うと、あるひずみで応力が最大となり、そこからは応力は下がっていく。この最大応力を引張強さと呼ぶ。引張強さは材料の強度を示す重要な特性値で、引張における強度の指標として最も広く使用されている。この最大応力を境にして材料の変形は、均一な変形ではなく、試験片の一部が局部的に縮小するようになる。したがって、ここからの局部縮小を伴う塑性変形を不均一塑性変形と呼ぶ。発生する局部縮小をくびれ、またはネッキングと呼ぶ。 さらに荷重をかけ続けると、発生したくびれは縮小し続け、そこから試験片の破断に至る。公称応力で見たとき、破断時の応力は引張強さよりも小さくなるが、真応力で見れば、加工硬化による真応力増大は続き、破断応力は引張強さよりも大きな値を示す。ただし、破断応力の値を用いることは一般的には少ない。破断時の公称応力を公称破断応力、あるいは単に破断応力と呼ぶ。破断時の荷重を破断部の断面積で除した値、すなわち破断応力を真応力で表したものは真破断応力と呼ぶ。 初期長さと破断後長さの変化率を破断伸びや単に伸びと呼ぶ。初期長さを L0、破断後長さを Lf とすれば、伸び δ は百分率 [%] で、 δ = L f − L 0 L 0 × 100 {\displaystyle \delta ={\frac {L_{f}-L_{0}}{L_{0}}}\times 100} で表される。破断伸びは材料の靱性を示す特性値となる。実際の試験では、破断して残った2つの試験片をきれいに突き合わせ、予め記しておいた標点間の距離で破断後長さを測定する。 また、破断後の断面積の減少率を絞りと呼ぶ。伸びと同様に靱性を示す特性値の一つである。破断部の断面積を Af、初期断面積 A0 とすると、絞り φ は伸びと同じく百分率で、 ϕ = A 0 − A f A 0 × 100 {\displaystyle \phi ={\frac {A_{0}-A_{f}}{A_{0}}}\times 100} で定義される。
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