不可侵の原則をめぐって
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/20 05:30 UTC 版)
「オブジェクティビズムとリバタリアニズム」の記事における「不可侵の原則をめぐって」の解説
マレー・ロスバードやウォルター・ブロック(英語版)を含む一部のリバタリアンは、不可侵の原則(英語版)を「還元不可能(irreducible)な概念」と見なしている。すなわち、この原則はいかなる倫理哲学の論理的帰結でもなく、他のいかなる公理にも劣らず自明であると考えている。アイン・ランドも「自由は有徳な行為の前提条件である」と主張したが、不可侵の原則そのものは、先行する知識や価値の複雑な組み合わせから導かれると考えた。このため、オブジェクティビストがこの原則を「不可侵の原則(principle)」と呼ぶのに対し、ロスバードの主張を支持するリバタリアンはこの原則を「不可侵の公理(axiom)」と呼ぶ。ロスバードを含む無政府資本主義者は、「政府は税の強制的徴収なしには機能し得ないものであり、歴史上のあらゆる政府は社会契約によってではなく強制力によって成立した」と考える。このため無政府資本主義者は、オブジェクティビストが支持する夜警国家も不可侵の原則を犯すと考える。これに対してランドは、国家を自発性に基づいて設立することは可能と信じた。
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